1、はじめに

契約に関する、ちょっとした疑問、不安、悩み、まずはご相談ください。
当事務所は、特に契約書作成業務に力を注いでおり、細かくお話をお聞きして、個人事業主様、法人様それぞれの事情に最適な契約書を作成させて頂いております。個人の方のご相談にも丁寧に対応しております。
不動産の売買やお金の貸し借りのように重要な契約については、契約があったことを証明するために契約書を作成するのが一般的です。一定内容の条項を契約書中に明記しておけば、無用な争いを避けることができるからです。

2、契約書を締結することの理由

(1)契約書を作成することにより
(ア)契約内容を証明する証拠文書として残せる
(イ)文書化することで契約内容を明確化できる
(ウ)書面を作成することで契約締結を慎重にさせ、当事者間に契約を遵守しようとする意識を高められる
(エ)当事者間の受け取るべき利益・不利益を明確にして、トラブルの防止、トラブルへの対応に有効である

(2)契約書締結前に問題点を洗い出して、必要な修正を行うことができる。問題が発生して からの対応する訴訟などによる時間のロスや対応コストの負担を未然に防止することができる。

(3)契約の問題点として、(a)純粋にビジネス上のもの(契約代金が適用であるか)と、(b)法律上のもの(紛争が生じた場合の法的責任の負担など)があり、これらを専門性な知識を有する者に確認させることができる。

3、契約の原則について

契約が締結し、実行されるにあたり、成文化されていませんが「契約自由の原則」に基づき法的な効力が生じるとされています。契約につき定めている民法もこの原則に従っています。

<契約自由の原則の一覧>

原則 内容 備考
契約自由の原則 ・契約の重要なルール。契約の当事者は契約締結する・締結しないこの決定や、その内容や方式を自由に選択できるという原則。
契約自由の原則の例外 ・法令のうち契約等に強制的に適用(強行法規)されるもので、この強行法規に反する契約条項は、無効になる。
右記のものが該当します。
①特定商取引法に基づくクーリング・オフ等
②消費者契約法に基づく消費者の取消権等
③利息制限法に基づく利息の上限利率
契約自由の原則の例外 ・公序良俗とは、公の秩序や良好・善良な風俗のことをいいます。この公序良俗に反する契約条項は無効となります(民法90条) ①犯罪に関わるもの
②取締規定に反するもの
③人倫に反するもの
④過度に射幸心を煽るもの
⑤自由・人権を著しく制限するもの
⑥暴利行為・不公正な取引行為によるもの

 

4、契約の原則より導き出される考え方

(1)当事者は、強行法規や公序良俗に反しない限り、自由に契約内容を定めることができる。国家(主に裁判所)は契約の有利・不利の問題に介入しない。
(2)当事者は、いったん契約を締結した後は、原則として、不利であることを理由に契約無効を主張することや、契約内容を一方的に変更することはできない。
(3)契約は自己責任で締結することになる。

5、条項の基本を考える上での5W1Hについて

・契約書を検討するに当たり、5W1Hは基本となる。
→いつ(When)、どこで(Where)、だれが(Who)、なにを(What)、なぜ(Why)、どのように(How)が契約書の要素となるから。

 

項目 契約で該当する条項
当事者(Who) 契約書の当事者は、 甲と乙と
目 的(Why) 契約を締結する目的
合意内容(What) 何についての契約か(物の売買か、サービスの提供か など)、債務として実行すべき内容は何か
日 時(When) 契約の履行日(債務の実行日)、期間、期限等
適用場所(Where) 契約の適用場所(物の納入場所はどこか、遠くないかなど)、または義務の履行場所等(業務遂行場所が具体的に特定されているか)
対価(How much) 契約によって得られる対価(代金額、報酬額など)

 

6、契約に記載する基本的の条項の概要

【ポイント】

債権者として何を請求できるか、あるいは債務者として何をしなければならないかを具体的にイメージして、条項の内容に問題ないか、曖昧な部分がないかを検討する。
また、紛争などが発生した場合、契約書は最終的に証拠として裁判所へ提出される書面であることを理解して、第三者が明確に意味を読み取れるものにすることも肝要です。
・同じ契約書内では、同一の概念は同一の用語を用いなければならない。

7、契約の種類

契約といってもさまざまな種類の契約があり、大きく典型契約と非典型契約に分かれています。
・典型契約とは、民法に定められた13種類の契約類型のことです。なお、売買と請負の双方の要素を含んでいる契約のように、いくつかの典型契約が組み合わさったものもあります。
〇典型契約の代表的な契約は、次のものがあります。

契約の種類 内容
贈与契約 贈与とは、自分の財産を無償で相手方に与える契約です。贈与者が物を与える意思を表示し、相手方がそれを受諾すれば贈与契約が成立します。
売買契約 売買契約は、売主が買主に財産を移転し、それに対して買主が代金を支払うことを約束する契約です。売主の「売ります」という意思と買主の「買います」という意思が合致すれば売買契約が成立します。
消費貸借契約 消費貸借契約とは、借主が金銭その他のものを貸主から受け取って、それと同等のものを後で返還することを約束する契約です。借主が物を受け取ることによって契約が成立します。この内、金銭の貸し借りを目的としたものを金銭消費貸借契約がよく知られています。
賃貸借契約 賃貸借契約は、貸主が借主に物を使用させ、それに対して借主が賃料を支払うことを約束する契約です。不動産の賃貸借が代表的です。借りた物そのものを返さなければならない点で消費貸借と区別されます。
雇用契約 雇用契約は、使用者の指揮命令下で、労働者が労働力を提供する代わり、使用者が報酬として賃金を支払うことを約束する契約です。
請負契約 請負契約は、当事者の一方(請負人)がある仕事を完成させ、他方(注文者)がその仕事に対して報酬を支払うことを約束する契約です。
委任契約 委任契約は、法律行為や事務を委託する契約です。委託する側を委任者といい、その相手方を受任者といいます。
寄託契約 寄託契約は、他人に荷物を預ける場合のように、物の保管を約束する契約のことです。預ける側を寄託者といい、預かる側を受託者といいます。受託者が実際に物を引き受けたときに契約が成立します。当事者の事情や目的物の性質などを考慮し、返還の時期、保管に関する注意点、報酬などを具体的に定めておくものです。

8、契約に規定する条項について

(1)一般条項について
契約書には、一般条項を記載する。一般条項とは、一般的なビジネスの契約において、必ず規定しておくべきとされる条項です。契約の種類に関わらず、必ず取り決めておくべきです。ただし、契約の種類や契約の内容によって、一般条項の内容も異なる場合が多いので、慎重に決定することが必要である。
一般的にこの条項には、①支払条件、②契約期間、③契約解除、④期限の利益損失、⑤不可抗力、⑥秘密保持義務、⑦損害賠償、⑧準拠法、⑨個人情報取扱い、などがある。

(2)委託条項について
委託条項とは、顧問契約やコンサルタント契約などで、その業務を契約書の当事者が知らないうちに第三者に委託されてしまうのを防止するために規定する条項です。契約書に決めた業務の履行を特定の者に限定させたい場合などに、契約書にその旨の条項を設けておきます。また、その業務を部分的に委託可能にする場合も、その範囲を明確に記して、負う義務を明記するのがよいでしょう。

8、契約書のはたらき
一部の作成が法で義務付けられている場合を除き、多くの契約書は口頭でも契約は法的に成立します。そこで契約書をあえて作成する理由には、次のことがあります。

1)契約内容を証明する証拠となる
口頭のみでは、契約内容があやふやになったり、当事者間でその内容に対する認識に差が生じてしまうことがあります。このような時に契約書があれば契約した事実及び契約内容をはっきりと証明することができます。

2)契約遵守の意識を高められる
契約書を作成し、署名や記名・押印をする手続きをふむことにより、単なる口約束ではなく、契約であるということがはっきりします。その結果、当事者間に契約を遵守しようとする意識が高まります。

3)契約後のルールの明確化ができる
契約書には、契約締結後当事者が守るべきルールを盛り込むことができます。

4)トラブルの防止、トラブルへの対処に有効である
口頭により、後々になって契約内容について「言ったはずだ」「聞いてない」というようなトラブルを防止することができる。契約書によって、当事者双方が受け取るべき利益と不利益を明確にしてあれば、相手方もむやみに苦情を訴えたりすることがない。